サタデーブックスとシン図書室が月に1度主催する読書会です。
日時:2022/11/27(日) 10:30~12:00(10:15開場)
会場:サタデーブックス(所沢市西所沢1-17-13, 西武池袋線「西所沢」駅徒歩2分)
内容:
月に1回最終日曜日AMに開催しているサタデーブックスとシン図書館の読書会です。
今回は内田樹の『複雑化の教育論』(2022年)
●出版元紹介文
成熟とは「複雑化する」ことである
教育が子どもたちの「成熟」を支援するための営みだということは周知のとおりでしょう。
では、その「成熟」とは一体なにを指しているのでしょうか。
新たな知識を獲得して、できることが増えていくことでしょうか。
あるいは、周囲の人々と協力して、よりよい社会をつくるための役割を果たすようになることでしょうか。
内田先生は「成熟とは複雑化することである」と定義します。
例えば、以前とは違った表情を浮かべ、聞いたことのない語彙を用いて語り始め、これまでしたことのないふるまいをするようになる――、このような変化が複雑化するということだと言います。
このとき、子どもは自ら「複雑になろう」として複雑になるわけではありません。
自分の中に新たに生まれたズレや葛藤と向き合う中で、これまで通りではうまく表現できないことに気付き、別の仕方で表現せざるを得ない、そうせずにはいられないから複雑になる、そういった統御できない変化なのです。
ですから、一番当惑しているのは子ども自身です。
まるで別人になってしまったかのように感じられる自分自身に戸惑い、苦しみます。そのため、周囲からの承認や支援が得られないと、子どもはできあいの、ある「定型」に収まろうとしてしまいます。
それは「ヤンキー」などのふるまい方の一つの類型であったり、周囲から設定された「キャラ」であったりします。
これは複雑化ではありません。このような定型に収まるという仕方は、一時の解決策にはなりますが、いずれ無理がきてしまいます。
子どもに寄り添う大人が複雑化していく子どもを認め、歓待することで、そのような「飛躍」や「転回」をさせないようにし、子どもが安心して複雑化することができる環境をつくることが重要です。
しかし、複雑化の過程にある子どもに寄り添う大人にとっても、子どもがあるとき突然別人になったと感じられるような変化であり、受け入れる側に胆力が求められます。
さらに複雑化には即席な効果は期待できず、またそれを測るものさしもなく、子どもの複雑化に向き合うには骨を折る必要があります。
それでも、教師も親も、周りの大人たちは複雑化を支援するという立場を選び取る必要がある、複雑化プロセスを連続的に繰り返す以外に子どもたちが成熟する道筋はないと内田先生は主張します。
そのような複雑化を支援する立場を選び取る大人を一人でも多く増やしたい、このような思いから内田先生は筆を執りました。
【準備いただきたいこと】
①『複雑化の教育論』を読んできてください。
②感想をまとめて話す準備をお願いします。
【定員】
6名(+サタデーブックス店主とシン図書館館長)
【参加費】
参加無料ですが、1ドリンクご注文をお願いします。
感染防止対策の都合、マスクの着用をお願いいたします。
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